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袋に書かれた粒度・でんぷん損傷度・アミロース含有率・水分含有率の数値が、農林水産省の基準のどの区分の範囲に入るかを確かめる一覧です。手元の銘柄が1番・2番・3番のどれに当たるかをメーカーの表記で確かめたいときは、トップページから進めます。基準が定まるまでの経過は用途別基準の経緯の年表にあります。
- 確認できること: 1番(菓子・料理用)・2番(パン用)・3番(麺用)の粒度・でんぷん損傷度・アミロース含有率・水分含有率の数値基準
- 典拠: 農林水産省「米粉の用途別基準」(2017年3月29日公表)
- 注意: 区分を分けるのはアミロース含有率で、銘柄の区分はメーカーの表記で確かめます
制定の経緯
小麦粉には「薄力粉・中力粉・強力粉」という用途表示が家庭に浸透していますが、米粉には長く同様の目安がありませんでした。農林水産省は「米粉は、小規模な製造業者が多く、米粉用米の品種や製粉方法も様々なことから、製造業者によって製品の吸水量が異なるなど品質の違いがみられ、利用が広がりにくいといった課題」があるとし、2017年3月29日に「米粉の用途別基準」(菓子・料理用/パン用/麺用の3区分)を公表しました。2018年1月からは、基準に適合する製品へ日本米粉協会が推奨ロゴマークを付与する仕組みも始まっています。
図表1: 用途別基準・用途表記(数値基準)
| 項目 | 1番 菓子・料理用 | 2番 パン用 | 3番 麺用 | 測定法 |
|---|---|---|---|---|
| 粒度(μm) | 粒径75μm以下の比率が50%以上 | レーザー回析散乱式 | ||
| でんぷん損傷度(%) | 10%未満 | 酵素法(AACC法76-31) | ||
| アミロース含有率(%) | 20%未満 | 15%以上25%未満 | 20%以上 | ヨウ素呈色比色法または近赤外分光方式 |
| 水分含有率(%) | 10%未満以上15%未満 | 105℃乾燥法または電気抵抗式(電気水分計) | ||
| グルテン添加率(%) | ― | 18〜20%程度(添加している旨を明記する必要)。図表1では2番・3番の列にまたがる欄 | ― | |
出典: 農林水産省「米粉の用途別基準」ページ内図表1(画像データを直接確認)。確認日2026-10-17。グルテン添加率の欄は、農林水産省の図表1では2番と3番の列にまたがって表示されています。同ページ本文はグルテンを加える場面をパンの説明として書いており、3番(麺用)への適用は本文から読み取れません。損傷度・粒度が製粉方法でどう変わるかは米粉の製粉方法、市販米粉の測定調査は市販米粉の分析調査を参照。3つの区分を数値なしで並べて見たいときは1番・2番・3番の違い 早見表、3番(麺用)の基準と米粉めんの表示は米粉麺用(3番)の基準と米粉めんの表示の確認点にあります。
図表2: 用途の具体例
| 区分 | アミロース含有率 | 具体的な用途の例 |
|---|---|---|
| 1番 ソフトタイプ | 15%未満 | 柔らかいスポンジケーキ、クッキー |
| 1番 ミドルタイプ | 15%以上20%未満 | スポンジケーキ、クッキー、天ぷら粉、お好み焼き粉、唐揚げ粉、惣菜類 |
| 2番 | 15%以上25%未満 | パン全般 |
| 3番 | 20%以上 | 麺全般 |
| 3番 ハードタイプ | 25%以上 | 強弾力の麺、洋酒に浸す等かためのケーキ |
出典: 農林水産省「米粉の用途別基準」ページ内図表2(画像データを直接確認)。確認日2026-10-17。アミロース含有率が高いほど型崩れしにくくさらっとした食感、低いほどしっとり感が出る特性があります。
図表3: アミロース含有率から1番〜3番の範囲を読む手順の例
数値表だけでは「自分の手元の数値がどの区分に入るか」が分かりにくいため、図表1・図表2の公式数値だけを使った読み方の例です。下の数値は説明用の仮の値で、特定の銘柄の測定値ではありません。
- 粒度(75μm以下が50%以上)、でんぷん損傷度(10%未満)、水分含有率(15%未満)は3区分共通なので、先にこの3つが範囲内かを見ます。
- 区分の違いはアミロース含有率だけです。数値を1番(20%未満)・2番(15%以上25%未満)・3番(20%以上)の範囲に当てはめます。
- 範囲が重なる15%以上25%未満では、複数の区分に当てはまります。図表2の用途の例(ケーキ・パン・麺)から、作りたいものに合う区分を選びます。
| アミロース含有率(仮の値) | 当てはまる範囲 | 図表2の用途の例 |
|---|---|---|
| 12% | 1番のみ | 1番ソフトタイプ(15%未満): 柔らかいスポンジケーキ、クッキー |
| 18% | 1番と2番 | 1番ミドルタイプ: 天ぷら粉、唐揚げ粉など/2番: パン全般 |
| 22% | 2番と3番 | 2番: パン全般/3番: 麺全般 |
| 27% | 3番のみ | 3番ハードタイプ(25%以上): 強弾力の麺、かためのケーキ |
出典: 農林水産省「米粉の用途別基準」ページの図表1・図表2の数値(確認日2026-10-07)を当てはめた例。実際に区分を表記するのは米粉の製造業者です。市販品の表記の確認は米粉の表示から用途区分を確認する手順、銘柄ごとの表記は銘柄別の用途区分を参照。
図表4: 1枚の袋の4項目(粒度・損傷度・アミロース・水分)を基準に照らす例
袋や製品情報に4つの数値が載っている場合の確認手順の例です。下の数値は説明用の仮の値で、実在の銘柄の測定値ではありません。基準は図表1(農林水産省の別紙)のとおり、粒度は粒径75μm以下が50%以上、でんぷん損傷度は10%未満、水分含有率は10%以上15%未満、アミロース含有率は区分ごとに異なります。
| 項目(基準) | 袋A(仮の値) | 袋B(仮の値) |
|---|---|---|
| 粒度(75μm以下が50%以上) | 60%: 範囲内 | 60%: 範囲内 |
| でんぷん損傷度(10%未満) | 7%: 範囲内 | 12%: 範囲外 |
| アミロース含有率 | 17%: 1番(20%未満)に入り、ミドルタイプ(15%以上20%未満)にも当たる。2番(15%以上25%未満)の範囲にも入る | 17%: 同左 |
| 水分含有率(10%以上15%未満) | 12%: 範囲内 | 12%: 範囲内 |
| 照合の結果 | 4項目とも1番ミドルタイプの範囲に入る | 損傷度が範囲外のため、1番〜3番のどれにも当たらない |
袋Aのように数値が1番ミドルタイプの範囲に入っても、2番の数値範囲と重なるため、数値だけでは1番か2番かは決まりません。区分を表記するのは米粉の製造業者で、メーカーが用途の表記をしていない粉は、数値が読めても区分を決めつけず「メーカー表記なし」として扱ってください。グルテンを18〜20%程度添加する場合は、その旨を明記する必要があります(図表1の欄は2番・3番にまたがっています)。アミロース含有率だけの当てはめは図表3、アミロースの値と銘柄の例は下の節、測り方はアミロース含有率の測り方を参照してください。
出典: 農林水産省「『米粉の用途別基準』及び『米粉製品の普及のための表示に関するガイドライン』の公表について」別紙(確認日2026-10-09)。
新潟県の新規用途米粉の推奨指標(澱粉損傷度・水分)と農水省基準の違い
農林水産省の用途別基準(2017年)より前の2012年2月に、新潟県が「新規用途米粉の用途別推奨指標」を策定しています。対象はパン・麺・ケーキなど小麦粉と同様に使う米粉で、団子用の上新粉などの従来の米粉は指標化の対象外です(各粉の違いは上新粉・白玉粉・餅粉・だんご粉・米粉の違い)。国の基準とは別の、県の推奨指標である点に注意してください。
| 項目 | 新潟県の推奨指標(2012年) | 農水省の用途別基準(上の図表1) |
|---|---|---|
| 粒度 | 粒径75μm以下の比率が概ね80%以上 | 粒径75μm以下の比率が50%以上 |
| 澱粉(でんぷん)損傷度 | 概ね12%以下。米粉の配合割合が高い製品では概ね6%以下が望ましい | 10%未満 |
| 水分含有率 | 15%以下(米の農産物検査規格に準ずる) | 10%未満以上15%未満 |
| アミロース含有率 | 硬質米粉25%以上/中質米粉15%以上25%未満/軟質米粉15%未満 | 1番20%未満、2番15%以上25%未満、3番20%以上 |
県の指標では、中質米粉がパン・スポンジケーキ・ロールケーキ・つけ麺向け、硬質米粉が洋酒に浸すケーキやスープに入れる麺向け、軟質米粉がシフォンケーキなど柔らかさを重視するケーキ向けとされています。県の指標と農水省の基準は測定法も異なり(損傷度は県がMegazyme社の測定キット、農水省が酵素法(AACC法76-31))、数値を直接比べることはできません。手元の銘柄が農水省の1番・2番・3番のどれに当たるかは、メーカーの表記または推奨マーク取得の有無で確認してください。メーカーが区分を表記していない銘柄は、指標の数値だけから区分を判定できません。
基準の各項目が仕上がりにどう関わると資料に書かれているかは、米粉パンの失敗の症状別 確認項目の案内で症状別に確認できます。
出典: 新潟県「米粉の用途別基準と新規用途米粉の用途別推奨指標について」(2022年4月11日更新、確認日2026-09-30)。https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/syokuhin/1330290118847.html。農水省の数値は上の図表1。
アミロース含有率が区分の決め手になる理由と、銘柄での数値の例
農林水産省は、米に含まれる全でんぷんに対するアミロースの割合をアミロース含有率と説明し、アミロース含有率は加工において重要な要因になるとしています。粒度・でんぷん損傷度・水分含有率は3区分共通の基準で、1番・2番・3番を分けているのはアミロース含有率です。
| 加工品 | アミロース含有率が高い米粉 | アミロース含有率が低い米粉 |
|---|---|---|
| 米粉ケーキ | さらっとした食感で型崩れしにくい | しっとり感が出る |
| 米粉パン | パサパサしたパンになる | しっとりしたパンになるが、腰折れして変形しやすい |
基準の境目(15%・20%・25%)がなぜその値なのかは、農林水産省の同ページには書かれていません。ここでは、上の傾向に合わせて用途ごとに範囲が決められている、という公式の説明だけを示します。同じページでは、日本の一般的なうるち米のアミロース含有率は17〜23%程度、もち米は0%とされています。
輸入米粉や海外表示の袋は、この数値の範囲に当てはまるかどうかが資料で確かめられていません。国際食品規格(Codex)の米の規格も米粉を適用範囲から外しているため、日本の1番・2番・3番とは別の物差しです。見かけたときの確認点は海外の米粉の規格と日本の用途別基準との違いにまとめています。
銘柄の数値の例として、サラ秋田白神の公式オンラインショップは「あきたこまち マイドルチェ」にアミロース含有量17%前後と記載しています(確認日2026-09-17)。ただし同ページには農林水産省の1番・2番・3番という区分は書かれていません。17%前後は上の図表2で1番ミドルタイプ(15%以上20%未満)と2番(15%以上25%未満)の範囲に入りますが、区分を表記するのは製造業者なので、この銘柄の区分は判定しません。品種ごとの公表値は米粉専用品種とアミロース含有率、測り方と表示の読み方は米粉のアミロース含有率の測り方を参照してください。
出典: 農林水産省「米粉の用途別基準」ページの「米粉の成分と加工性」「米粉の用途別基準について」(確認日2026-10-08)。銘柄の数値はサラ秋田白神公式オンラインショップ の商品ページ記載(確認日2026-09-17)。
よくある質問
米粉の用途別基準とは何ですか
小麦粉には「薄力粉・中力粉・強力粉」という用途表示が家庭に浸透していますが、米粉には長く同様の目安がありませんでした。農林水産省は「米粉は、小規模な製造業者が多く、米粉用米の品種や製粉方法も様々なことから、製造業者によって製品の吸水量が異なるなど品質の違いがみられ、利用が広がりにくいといった課題」があるとし、2017年3月29日に「米粉の用途別基準」(菓子・料理用/パン用/麺用の3区分)を公表しました。2018年1月からは、基準に適合する製品へ日本米粉協会が推奨ロゴマークを付与する仕組みも始まっています。
米粉の用途別基準のアミロース含有率はどのくらいですか
1番(菓子・料理用)は20%未満、2番(パン用)は15%以上25%未満、3番(麺用)は20%以上です。詳細な内訳は1番ソフトタイプ(15%未満)、1番ミドルタイプ(15%以上20%未満)、3番ハードタイプ(25%以上)に分かれます。用語の意味は用語集も参照してください。
市販の米粉銘柄には、なぜ農水省の用途区分がほとんど表記されていないのですか
市販されている米粉銘柄の多くは、「製菓用」「製パン用」といったメーカー独自の大まかな表記にとどまっています。農林水産省の用途別基準(1番・2番・3番、アミロース含有率何%)に対応づけて書いている例は、推奨マーク取得製品を除き、ほとんど確認できていません。詳しくは銘柄データ集で確認できます。
各回答の出典は本ページ内の図表1・図表2、および農林水産省「米粉の用途別基準」ページ・「用途別基準について」ページ(確認日2026-10-17)です。
→ 作りたいもの(パン・ケーキ・麺など)から区分を逆引きする
→ 米粉専用品種(ミズホチカラ・越のかおり等)のアミロース含有率を、この基準の範囲と比べる
→ 日本食品標準成分表の米粉の成分値を見る(アミロース含有率・でんぷん損傷度の列はない)
天ぷら粉・唐揚げ粉が挙がる区分の根拠は米粉の天ぷら・唐揚げの衣に向く用途区分と公的資料の読み方、1番のなかのソフトタイプとミドルタイプの違いは1番ソフトタイプと1番ミドルタイプの違い、県の指標でシフォンケーキ向けとされる軟質米粉は米粉シフォンケーキに向く粉の確認で確認できます。
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この4つの次に見る数字(粘度・比容積)
粒度・でんぷん損傷度・アミロース・水分のほかに、研究機関の報告では粘度や比容積が使われます。どちらも用途別基準の項目ではなく、1番・2番・3番の判定には使えません。
- 米粉の糊化特性(RVAの最高粘度・ブレークダウン・セットバック)の読み方:加熱で粉がどれだけ粘り、崩れ、冷めて固まるかを表す数字です。農林水産省の基準にRVAの数字を使った区分はなく、研究機関の個別の試験の値として読みます。
- 米粉パンの比容積と粉の特性の関係:焼いたパンの体積を重さで割った、膨らみの指標です。配合や焼き方で変わり、農林水産省の基準にも比容積の基準値はありません。
ほかの確認先
- 米粉で作る前の確認チェックリスト(用途区分・粉の表示・アレルギー・保存の4段):作る前に、用途区分・粉の表示・アレルギー・保存を順に確かめる
- 小麦粉から米粉への置き換え早見表(パン・ケーキ・クッキー・ドーナツの水分と焼き方の違い):小麦粉から置き換えるときの水分と焼き方の違いを見る
- 米粉の袋の表示を見る順番のチェックリスト(6つの比較):袋の表示を見る順番を6つの比較で確かめる
- 米粉の袋・商品ページの表示から用途別基準の区分を確認する手順:推奨マーク、区分名、数値、「製菓用」だけの4パターンで、区分について言えることと言えないことを分ける
- 上新粉・白玉粉と米粉の違い:用途別基準の対象になる「新たな用途に使える米粉」と、従来の米穀粉の区分を確かめる