小麦粉から米粉への置き換え早見表(パン・ケーキ・クッキー・ドーナツの水分と焼き方の違い)

農林水産省の解説に数値や条件がある料理だけを、用途区分と対応づけて整理します。

結論: 小麦粉と同じ配合では作れない。水分・焼き時間・砂糖の量を料理ごとに見直す

農林水産省の解説は、小麦粉で作る料理のほとんどは米粉で代替でき、たこ焼き、お好み焼き、天ぷら、ケーキ類、クッキー類などは米粉でも遜色なくできるとしています。ただし、解説の個別の例を見ると、小麦粉と同じ配合のままでは、パン、ドーナツ、クッキーで仕上がりが変わります。変わる向きは料理ごとに違います。

置き換えの全般的な割合(小麦粉の何%を米粉にするとどうなるか)は、確認した解説に数値がありません。このページは、数値や条件が書かれている料理の例だけを整理し、書かれていない比率は載せません。

料理別: 小麦粉と同じ配合で米粉にしたときの違い

料理別の置き換えの違い
料理(解説の区分) 小麦粉と同じ配合で米粉にすると 解説に書かれている調整
パン(2番 パン用)加水量が小麦粉の約60%に対し、米粉は100%前後と多くなる。バッター(流れるほど柔らかい生地)になり、手でこねられないので型に入れて焼く。焼き上がりまでの時間が長く、焼き色は薄い。加水量・焼き時間・添加材料の工夫で膨らみが良くなる。添加材料の例は、片栗粉などのでんぷん、キサンタンガムなどの増粘多糖類、でんぷんを含むイモ類、あらかじめ糊化させた米粉のペースト。
スポンジケーキ(1番 菓子・料理用)時間が経っても生地の粘りはほとんど変わらず、小麦粉生地より粘性が低い。粉を混ぜるときに気泡がつぶれにくい。生地250gを160℃で焼くと、米粉は45分、小麦粉は38分。焼き時間が長いと水分が減り、端がかたくなる。焼き時間を短くするには、ロールケーキのように薄い生地が向く。
ケーキドーナツ(1番 菓子・料理用)米粉のほうが多く吸水するため、生地がかたくなってうまくできない。卵や牛乳で水分を増やして揚げることはできるが、それでもかため。水分をさらに多くしてやわらかい生地にし、型に絞り入れて焼く「焼きドーナツ」にすると、小麦粉の揚げドーナツと同程度のかたさやもろさが得られた。
クッキー(1番 菓子・料理用)粉っぽく、ぱさぱさした生地になり、焼き上がりはやわらかくなる。小麦粉のクッキーより甘さを感じにくく、焼き色は薄い。牛乳だけではかたさはほとんど変わらないが、牛乳と砂糖を加えると薄力粉のクッキーに近いかたさになる。砂糖を増やすと、かたさと甘さの両方に効く。大豆粉など他の粉を加えると焼き色が濃くなる。
ホワイトソース・シチュー(1番 菓子・料理用)液体を加えてもグルテンによるダマがなく、具材を炒めたところに米粉を直接ふりかけて煮込める。冷めても粘りが増えにくい。クリームコロッケのように粉の濃度が高いソースは、米粉は作った直後はやわらかいが、翌日はかたくなって扱いやすくなる。
うどん(3番 麺用)米粉うどんにはアミロース含量が多い麺用米粉を使う。こね方は小麦粉うどんと違い、水がなじむようにまとめるだけでよい。つなぎに片栗粉を使う。食塩は生地作りにとくに必要でなく、少々加える程度。

出典: 農林水産省「米粉の調理科学」(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/08/rice_flour_charac_teristic_05.html)、同「米粉の利用」(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/08/rice_flour_charac_teristic_04.html)。確認日2026-10-09。

表のかたさや焼き時間は、解説に書かれた一例です。粉の銘柄、配合、オーブンによって変わります。解説の区分の見出しは、用途別基準の1番(菓子・料理用)、2番(パン用)、3番(麺用)と同じ並びですが、特定の銘柄がその区分に当たるという意味ではありません。

粉の側で確認する3つの特性

同じ農林水産省の解説「米粉の利用」は、米粉の粉体特性として、粒度、粉砕のときに生じるでんぷん損傷度、アミロース含有量を挙げ、これらが商品を作るときの加工しやすさに影響するとしています。米粉パンやピザに向く米粉の条件として、中心粒度が40〜60μmであること、でんぷん損傷度が低いこと(5%程度以下が好ましい)、中アミロース米であることを挙げています。洋菓子や調理用には、なめらかさのために微細粒の粉が向くとしています。

置き換えがうまくいくかどうかは、レシピだけでなく、手元の粉がどの用途向けかにも左右されます。粉の区分は、袋の表示で確認します。表示に区分や用途が書かれていない銘柄は「メーカー公表の区分表記なし」と読み、こちらで区分を決めないでください。

次にすること

小麦粉との違いの数値は米粉と小麦粉の調理上の違い比較表、作りたいものに合う区分は作りたいものから探す逆引き表、作る前の確認項目は米粉で作る前の確認チェックリストで調べられます。吸水と水加減に関する公的資料の記述は米粉の吸水率・損傷でんぷん・水加減の関係、袋の表示の読み方は表示から用途区分を確認する手順にあります。

よくある質問

小麦粉の何%まで米粉に置き換えられますか

確認した農林水産省の解説には、置き換えの割合の数値が書かれていません。解説は、小麦粉製品のほとんどを米粉で代替できるとする一方、個別の料理では水分や焼き方の見直しが必要な例を示しています。割合は袋の表示にある作り方を優先してください。

小麦粉のレシピの水の量は、米粉でも同じでよいですか

同じにはしません。解説では、米粉は吸水が多いため、同じ配合だと生地がかたくなる例(ドーナツ)や、パンで加水量が100%前後と多くなる例が示されています。

米粉のクッキーが粉っぽいときは、どうすればよいですか

解説では、小麦粉と同じ配合の米粉クッキーは粉っぽく、ぱさぱさした生地になるとされ、牛乳と砂糖を加えるとかたさが薄力粉のクッキーに近づくとされています。量の数値は書かれていないので、袋の表示にある作り方に従ってください。