玄米粉と米粉の違い・用途別基準との関係(損傷度・吸水・保存の留意点)

農林水産省の解説で確認できる玄米粉の留意点を整理します。

結論: 玄米粉はぬか層を含むため米粉と扱いが違う。用途別基準の対象かは解説に明記が無い

農林水産省の「米・米粉情報まとめサイト」の解説「玄米と玄米粉の加工適性、健康機能性と利用」は、精白米を粉にする通常の米粉と、玄米(ぬか層を残した米)を粉にする玄米粉とでは、利用上の留意点が違うとしています。留意点は4つで、でんぷん損傷度が高くなりやすいこと、品質が安定しにくいこと、吸水が高く加水量を増やす必要があること、菌数が多くなりやすいことです。

この解説の本文には、用途別基準(1番・2番・3番)への言及がありません。そのため、玄米粉が基準の対象になるかどうかを、この解説から決めることはできません。当サイトも、玄米粉の銘柄を独自に1番・2番・3番へ判定することはしません。

玄米粉を使うときの4つの留意点

玄米粉の留意点
留意点 解説の記述
でんぷん損傷度のコントロールが難しいぬか層が胚乳への吸水を妨げて湿式粉砕が難しく、通常の米粉より粒子が粗く、でんぷん損傷度が高い玄米粉ができる傾向がある。
品質の安定性が難しいぬか層や胚芽に不飽和脂肪酸の多い油分があり、粉にすると脂質の酸化が進みやすい。風味の劣化が目立ち、保管や流通で品質の安定性に欠ける。
吸水度が高いぬか層には保水力のある食物繊維などが含まれ、通常の米粉より吸水が高い。パンやホットケーキに使うときは、通常の米粉より加水量を増やす必要がある。
菌数が多い玄米のぬか層は籾殻を除いただけのため、精白米と比べて菌数が多くなる。

出典: 農林水産省「玄米と玄米粉の加工適性、健康機能性と利用」(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/04/functio_nality_08.html )。確認日2026-10-09。

使い方についての記述

同じ解説は、こうした特性から、玄米粉は品質の安定性が難しいため非加熱の食品には使えず、パンや洋菓子、麺では玄米粉だけで食感を再現するのが難しいので、小麦粉の数%から20%程度を置き換えて使うことが多い、と述べています。香ばしさを出すために玄米を焙煎し、風味の劣化や菌数の問題を和らげた焙煎玄米粉の例も挙げています。さらに、これらの課題を解消し、用途によっては通常の米粉と同じ使い方ができる玄米粉も作られるようになったとされています。

吸水と加水量の関係は米粉の吸水率・損傷でんぷん・水加減の関係にまとめています。ただし、玄米粉の具体的な加水率は、確認した資料に書かれていません。

用途別基準・推奨マーク製品との関係で確認できること

用途別基準の数値(でんぷん損傷度10%未満など)は、用途別基準の図表1にあります。上の解説は、玄米粉の損傷度が高くなる傾向を述べていますが、その数値がどの区分に当たるかは述べていません。

一方、当サイトの推奨マーク製品の整理には、玄米を使った製品が含まれます。「あみちゃん米粉 玄米スーパーパウダー」は、農林水産省の推奨ロゴマークの承認製品で、日本米粉協会の公式サイトの記事で3番に適合すると明記されています(銘柄データ集、2026-09-17確認)。つまり、玄米を原料にした製品が用途別基準の区分で示される例はありますが、玄米粉全般が対象になるという意味ではありません。

銘柄ごとに、メーカーが区分や用途を表記しているかを確かめます。表記がない銘柄は「メーカー公表の区分表記なし」と読み、こちらで区分を決めないでください。確かめ方は表示から用途区分を確認する手順にあります。

次にすること

上新粉や白玉粉との違いは上新粉・白玉粉・米粉の違いに、損傷度の基準値は米粉のでんぷん損傷度の基準値と測り方に、製粉方法は米粉の製粉方法にあります。調理上の違いは米粉と小麦粉の調理上の違い、麺用の基準は米粉麺用(3番)の基準、基準の成り立ちは用途別基準の経緯の年表で確認できます。

よくある質問

玄米粉は用途別基準の1番・2番・3番のどれに当たりますか

農林水産省の解説には、玄米粉の区分は書かれていません。区分を決められるのは、メーカーが表記している場合に限られます。表記のない銘柄は、こちらで判定しません。

玄米粉は米粉と同じ水の量で作れますか

解説では、玄米粉は通常の米粉より吸水が高く、パンやホットケーキに使うときは加水量を増やす必要があるとされています。増やす量の数値は書かれていないので、袋の表示にある作り方に従ってください。

玄米粉の保存で気をつけることは何ですか

解説は、ぬか層や胚芽の油分が酸化しやすく、玄米粉では風味の劣化が目立つとしています。具体的な保存期間や方法は書かれていません。一般の米粉の保存は米粉の賞味期限と保存のページを参照し、袋の表示を優先してください。