米粉の製粉方法(乾式・湿式・気流粉砕)と損傷でんぷん・粒度

乾式・湿式・気流粉砕ごとの損傷でんぷんと粒度の傾向を、農林水産省の解説にもとづき整理します。

結論: 製粉方法で損傷でんぷんと粒度の傾向が変わる

農林水産省の解説ページ(「米の消費拡大」の米粉の解説)では、米粉の製粉方法を乾式製粉と湿式製粉に分け、粉砕機の種類ごとに損傷でんぷんと粒度の傾向を説明しています。乾式は損傷でんぷんが「一般的には10%前後」、湿式の気流粉砕機は「5%以下」と書かれています。一方、用途別基準は損傷度10%未満・粒径75μm以下が50%以上と定めており、製粉方法の名前だけでは基準に適合するかどうかは決まりません。銘柄ごとの製法はこのページでは断定しません。

製粉方法・粉砕機ごとの特徴(農林水産省の解説)

乾式製粉・湿式製粉と主な粉砕機の特徴
方法・機械 原文にある特徴 主な用途(原文の記述)
乾式製粉 精米された白米をそのまま粉砕する。損傷でんぷんは比較的高くなる傾向で、一般的には10%前後。平均粒度は100ミクロン前後。 (用途の記述なし)
湿式製粉 昔から和菓子などに用いられてきた、より品質の高い米粉を得る方法。浸漬・テンパリング・粉砕・乾燥の順に進める。 和菓子など
スタンプミル 和菓子用米粉の代表的な製粉機。臼に米を入れ金属製の杵で搗いて粉砕する。水分を吸わせた湿式で行う。 和菓子・米菓
ロールミル 回転差のある2本のロールで粉砕する。湿式で使う場合は水分を25%前後にする必要がある。品質はスタンプミルほど高くなく、大量生産向け。 上新粉など
気流粉砕機 主に湿式で使う。高速気流の中で米同士の衝突を繰り返して粉砕する。粉砕熱が軽減されα化を防げる。損傷でんぷんは5%以下、平均粒径は30〜60μm程度。 米粉パン・米粉麺・洋菓子など

出典: 農林水産省「米の消費拡大」内の米粉の解説ページ(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/09/rice_flour_pro_cessing_03.html )本文の記述にもとづく。確認日2026-09-30。

湿式製粉の4つの工程

  1. 浸漬: 精米した白米を洗って水に浸し、飽和水分値近くまで吸水させる。白米の水分は13%前後、飽和水分値はおおよそ30%程度で、10分から1時間前後吸水させる。
  2. テンパリング: 水を切ったあと15分から60分程度寝かせ、水分を均等に行き渡らせる(エージングとも呼ぶ)。
  3. 粉砕: 水分を含んだ米は柔らかく細胞間が緩むため、小さなエネルギーで粉砕できる。
  4. 乾燥: 粉砕後の米粉は水分が高いので乾燥し、水分値を13%程度に戻して流通させる。

損傷でんぷん・粒度が加工に効く理由

同じ解説ページによると、損傷でんぷんは粉砕で単粒細胞が壊れた値で、粉砕機や製粉方法によって異なります。この値は米粉食品の生地の柔らかさや加水量に影響します。粒度は粉砕機の作用と加えるエネルギーの強さ・時間で決まり、粒子が大きいと舌触りが粗く、細かいと舌触りも細かく感じるとされています。また、粉砕のエネルギーを強くしたり時間や回数をかけたりすると粒子は細かくなりますが、損傷でんぷんも高くなる傾向があると書かれています。

用途別基準と読み比べるときの注意

次にすること

用語の意味は用語集、基準の数値は用途別基準ページで確認できます。市販米粉の測定値を調べた調査報告の読み方は市販米粉の分析調査(CAP.N・2017年)で解説しています。