市販米粉の分析調査(CAP.N・2017年)の測定項目と読み方

農林水産省サイト掲載の調査報告書の測定項目・測定方法と、成分が加工性に与える影響を整理します。

この調査報告は何を測ったものか

NPO法人国内産米粉促進ネットワーク(CAP.N)が2017年3月にまとめた「米粉に係る調査事業実績報告書」(農林水産省サイトに掲載)は、全国展開している製粉事業者の、市場に流通している米粉製品(業務用・家庭用小袋製品)を、理化学分析または聞き取りで調べたものです。項目は粒度分布、デンプン損傷率(吸水性)、アミロース含有率、水分含有率、そして米粉パン用グルテンミックス粉のグルテン含有率の5つです。

報告書の結果は製品ごとの散布図で示されています。このページでは図の目盛りを読み取った数値は載せず、本文に書かれた測定方法と、成分が加工性に与える影響の整理だけを取り上げます。

測定方法(原文の注記)

調査報告の測定項目と測定方法
測定項目 測定方法 用途別基準の測定法
粒度分布(50%以下の粒径) レーザー回析散乱法 レーザー回析散乱式
デンプン損傷率(吸水性) AACC法76-31 酵素法(AACC法76-31)
アミロース含有率 近赤外線分析計による測定 ヨウ素呈色比色法または近赤外分光方式
水分含有率 近赤外線分析計による測定 105℃乾燥法または電気抵抗式(電気水分計)

出典: NPO法人国内産米粉促進ネットワーク(CAP.N)「米粉に係る調査事業実績報告書」2017.3(https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/komeko/attach/pdf/index-65.pdf )の本文。用途別基準の測定法は用途別基準ページの図表1による。確認日2026-09-30。

粒度の報告の指標は「50%以下の粒径」で、用途別基準の「75μm以下の比率が50%以上」とは表し方が異なります。水分含有率の測定法も、報告書は近赤外線分析計、基準は105℃乾燥法または電気水分計と別々です。報告書の数値をそのまま基準の適否の判断に使うことはできません。

成分と加工性の関係(報告書の整理)

米粉の成分ごとの加工性への影響
成分 加工性への影響(原文の記述)
デンプン損傷率(吸水性) 高くなると加水量が増える。加工性や食感に影響する。高くなると米粉パンの比容積は低下し、米粉パンやスポンジケーキなどではしっとり感が増す。
粒度分布 粒径の大小が加工性や食感に影響する。粒径が大きいと米粉パンでは比容積が低下する。
アミロース含有率 米粉パンでは、高いと硬い食感になる。スポンジケーキでは、高いとサクサク食感が強くなる。麺では、麺の結着性が良く、茹で後の物性変化が少ない。
水分含有率 品質保持や調理加工における加水量に影響する。

出典: 上記報告書「米粉の成分と加工性」の表。確認日2026-09-30。

使うときの注意

次にすること

製粉方法ごとの損傷でんぷん・粒度の傾向は米粉の製粉方法、用語の意味は用語集で確認できます。