米粉のでんぷん損傷度の基準値と測り方(10%未満・12%以下・3%前後の読み比べ)

国・県・メーカーが示す損傷度の数値を、測定法と使い方の違いとあわせて比べます。

結論: 数値は出典ごとに「基準」「推奨」「傾向」「製品の値」で意味が違う

でんぷん損傷度は、製粉でどれだけでんぷんの粒が傷ついたかを表す値です。農林水産省の米粉の用途別基準は「10%未満」、新潟県の用途別推奨指標は「概ね12%以下」、製粉方法の解説では乾式が「10%前後」・気流粉砕機が「5%以下」と、数字が並びます。ただし、それぞれ性格が違うため、数字の大小だけで米粉の良し悪しは決まりません。用途別基準の数値を前提に、下の表で出典ごとの意味を確認してください。

出典別に見るでんぷん損傷度の数値

出典ごとのでんぷん損傷度の数値と測定法
出典 数値 数値の性格 測定法の記載
農林水産省 米粉の用途別基準(2017年3月公表) 10%未満 製造業者が自主的に守る基準値 酵素法(AACC法76-31)
新潟県 新規用途米粉の用途別推奨指標(2012年2月策定) 概ね12%以下。米粉の配合割合の高い製品は概ね6%以下が望ましい 県の推奨指標(国の基準ではない) Megazyme測定キット
農林水産省の製粉方法の解説(乾式) 一般的には10%前後 製粉方法ごとの傾向 記載なし
農林水産省の製粉方法の解説(湿式の気流粉砕機) 5%以下 製粉方法ごとの傾向 記載なし
サラ秋田白神「あきたこまち マイドルチェ」 3%前後(同社表記の従来の米粉は10%以上) メーカーが商品ページで公表する製品の値 記載なし

出典: 農林水産省「米粉の用途別基準」の解説(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/08/rice_flour_charac_teristic_03.html )、同「米粉の製粉」の解説(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/09/rice_flour_pro_cessing_03.html )、新潟県「新規用途米粉の用途別推奨指標」(https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/syokuhin/1330290118847.html )、サラ秋田白神公式オンラインショップの商品ページ。確認日2026-10-08。

損傷度が高いと何が変わるか(農林水産省の解説)

農林水産省の解説は、米粉の吸水性はでんぷんの損傷度に由来し、損傷度が大きいと粉に対する吸水量も多くなると説明しています。そのうえで、加工への影響を次のように書いています。

つまり、膨らみを優先するなら低い方向、しっとり感を優先するなら高い方向に働くという説明で、一方向に「低いほどよい」とは書かれていません。新潟県の指標は小麦粉用途(パン・ケーキ・麺)向けに「総じて低いほど望ましい」としており、用途を小麦粉の代わりに使う場面に置いた文脈です。

損傷度が下がる・上がる仕組み

農林水産省の製粉方法の解説では、米は小さなでんぷん細胞の集まりで、粉砕で細胞集合体を壊す際に単粒細胞の壁が傷ついたり細胞自体が壊れたりすることがあり、その壊れた度合いを損傷率と呼ぶとしています。粉砕のエネルギーを強くしたり時間や回数をかけたりすると粒子は細かくなりますが、その分損傷率も高くなる傾向があるとされています。細かさと損傷度はセットで動くため、粒度の基準値と表し方とあわせて読むと判断しやすくなります。

数値を読むときの注意

次にすること

製粉方法ごとの傾向は米粉の製粉方法、用語の定義は用語集、手元の商品の表示から区分を探す手順は米粉の表示から用途区分を確認する手順で確認できます。