米粉のアミロース含有率の測り方(ヨウ素呈色比色法・近赤外分光)と製品表示の読み方

用途別基準の数字が、どんな測定で出た値なのかと、製品表示の値を読むときの注意を整理します。

結論: 基準値は2種類の測定法のどちらかで確かめた値で、表示の数字は測定法まで見て読む

農林水産省の米粉の用途別基準は、アミロース含有率を「ヨウ素呈色比色法または近赤外分光方式」で測るものとしています。アミロース含有率の基準は1番が20%未満、2番が15%以上25%未満、3番が20%以上です。ヨウ素呈色比色法は、アミロースにヨウ素が取り込まれると青く呈色することを使い、その濃さから量を求めます。近赤外分光方式は、粉に近赤外線を当てて得たスペクトルから、あらかじめ作った検量線で値を推定する方法です。製品の袋の数字は、測定法と測った対象(米か米粉か)が書かれていないことが多いため、用途別基準の区分と同じ物差しとは限りません。

用途別基準が示すアミロース含有率と測定法

用途別基準のアミロース含有率と測定法
区分 アミロース含有率の基準 測定法の記載
1番(菓子・料理用)20%未満ヨウ素呈色比色法または近赤外分光方式
2番(パン用)15%以上25%未満
3番(麺用)20%以上

出典: 農林水産省「米粉の用途別基準」の解説(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/08/rice_flour_charac_teristic_03.html )の図表1。確認日2026-10-08。

ヨウ素呈色比色法の仕組み

農研機構の解説によると、アミロース分子は、グルコース6個で1巻きのらせん構造をつくります。このらせんの中にヨウ素分子が入ると青色に呈色するので、その呈色の度合いを測って量を求めます。同じ解説は、ヨウ素を使う方法には呈色比色法のほか電流滴定法・電圧滴定法があり、これとは別に酵素・クロマト法があると整理しています。

注意点として、アミロペクチンの中の非常に長い直鎖状の枝(超長鎖)もヨウ素と結合して呈色します。そのため、どの測定法でも実際のアミロース含量(真のアミロース含量)より高い値が出ます。研究の世界では、この値を「見かけのアミロース含量」と呼んで区別しています。

出典: 農研機構「食品総合研究所研究報告」55号の解説(https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/shokuryo55-33.pdf )。確認日2026-10-08。

近赤外分光方式の仕組み

農研機構の2024年の成果発表資料は、精白米のアミロース含有率の測定にはヨウ素呈色法が広く使われているものの、作業の工程が多く労力と時間がかかると書いています。そこで、精白米粉の近赤外スペクトルを使い、アミロース含有率とタンパク質含有率の検量線(スペクトルから値を計算するための式)を作成しました。この検量線を使うと、前処理なしで1日に数十点の測定ができるとされています。資料の図では、粉5gを近赤外分光装置にセットして約1分で測定する流れが示されています。

同資料は、検量線の精度が高かった理由として、高性能の装置、幅広いアミロース含有率の試料、精米歩合をそろえた白米、そして基準となるヨウ素呈色法の実測値の精度の高さを挙げています。近赤外分光は、ヨウ素呈色法で測った値を基準に検量線を作って使う方法です。

出典: 農研機構 食品研究部門「米粉のアミロース含有率の簡易測定」(https://www.naro.go.jp/laboratory/nfri/seikatenji/seika2024/2024_poster_21.pdf )。確認日2026-10-08。

製品表示のアミロース値を読むときの注意

次にすること

手元の商品の区分を探す手順は米粉の表示から用途区分を確認する手順、用語の定義は用語集、銘柄ごとの区分表記の有無は銘柄データ集で確認できます。損傷度・粒度の測り方はでんぷん損傷度の基準値と粒度の基準値にまとめています。