結論: 粒度は「何を測った数字か」を揃えてから比べる
米粉の粒度は、農林水産省の用途別基準では「粒径75μm以下の比率が50%以上」、新潟県の推奨指標では「75μm以下の比率が概ね80%以上」と、比率で示されます。一方、メーカーの商品ページには「平均50〜60ミクロン」のような平均粒径や、「200メッシュ70%パス」のような表し方も見られます。指標が違う数字を直接比べても、基準に合うかどうかは判断できません。
出典別に見る粒度の表し方
| 出典 | 粒度の表し方 | 数値 | 数値の性格 |
|---|---|---|---|
| 農林水産省 米粉の用途別基準(2017年3月公表) | 粒径75μm以下の比率(レーザー回析散乱式で測定) | 50%以上 | 製造業者が自主的に守る基準値 |
| 新潟県 新規用途米粉の用途別推奨指標(2012年2月策定) | 粒径75μm以下の比率 | 概ね80%以上 | 県の推奨指標(国の基準ではない) |
| 農林水産省の製粉方法の解説(乾式) | 平均粒度 | 100ミクロン前後 | 製粉方法ごとの傾向 |
| 農林水産省の製粉方法の解説(湿式の気流粉砕機) | 平均粒径 | 30〜60μm程度 | 製粉方法ごとの傾向 |
| サラ秋田白神「あきたこまち マイドルチェ」 | 平均粒子の大きさ | 平均50〜60ミクロン(同社表記の従来の米粉は約140ミクロン) | メーカーが商品ページで公表する製品の値 |
| 新潟製粉 業務用4製品(パウダーライス等) | メッシュのパス率 | 200メッシュ70%パスが3製品、200メッシュ80%パスが1製品 | メーカーが品質表で公表する製品の値 |
出典: 農林水産省「米粉の用途別基準」の解説(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/08/rice_flour_charac_teristic_03.html )、同「米粉の製粉」の解説(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/09/rice_flour_pro_cessing_03.html )、新潟県「新規用途米粉の用途別推奨指標」(https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/syokuhin/1330290118847.html )、サラ秋田白神公式オンラインショップの商品ページ、新潟製粉株式会社「品質・製品」ページ。確認日2026-10-08。
粒度が加工に効く理由(農林水産省の解説)
農林水産省の用途別基準の解説は、米粉の粒度は通常、製粉機の網の目の大きさで表され、粒径は加工性や食感に影響すると説明しています。米粉パンでは、粒径が大きいと比容積(生地の重さに対する体積)が低下すると書かれています。製粉方法の解説では、粒子が大きいと食品の舌触りが粗く、細かいと舌触りも細かく感じるとされています。
比率・平均粒径・メッシュは別の指標
- 75μm以下の比率: 粒の集団のうち、75μm以下の粒が何%かを示す。国の基準と新潟県の指標はこの形です。
- 平均粒径: 粒の大きさの平均を示す。75μm以下の比率とは別の数字なので、平均50〜60ミクロンだからといって基準に適合するとは言えません。
- メッシュのパス率: 一定の目開きの網を通った粉の割合を示す。ここで示した新潟製粉の表記は、国の基準の75μm以下の比率とは別の指標です。
国の基準に適合しているかどうかは、メーカーが用途区分を明記しているか、測定値を公表しているかで確認します。区分表記がないものを、数字から推測して1番・2番・3番に当てはめることは避けてください。
粒度と損傷度はセットで動く
農林水産省の解説は、粉砕のエネルギーを強くしたり時間をかけたりすると粒子は細かくなるが、その分でんぷん損傷率も高くなる傾向があると述べています。粒度だけでなくでんぷん損傷度の基準値と測り方もあわせて見てください。
次にすること
基準の全項目は用途別基準ページ、製粉方法ごとの傾向は米粉の製粉方法、市販米粉の測定結果の読み方は市販米粉の分析調査(CAP.N・2017年)で確認できます。手元の商品の表示から調べる手順は米粉の表示から用途区分を確認する手順です。