図表1: 認定の対象者と、計画で行う取り組み
この制度は「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」の第4条にあります。新用途米穀加工品とは、米穀粉、飼料などで、省令で定めるものです。その原料に使う米が「新用途米穀」で、米粉用米も含まれます。生産者と製造事業者が共同で計画を作って提出し、農林水産大臣から「適当である」と認定を受けることができます。
| 項目 | 法律の定め |
|---|---|
| 共同で計画を出す者 | 生産者と製造事業者。米粉を使った加工品の製造や販売をする促進事業者が、加工品づくりの高度化や需要の開拓の措置を行う場合は、この3者 |
| 必ず行う措置 | 生産者と製造事業者の間で、新用途米穀の安定的な取引関係を確立すること |
| 取引を支える措置 | 原料に向く新しい稲の品種や、費用を抑える生産方式の導入(生産側)。費用を抑える製造方式の導入や施設の整備(製造側) |
| 目的 | 新用途米穀の生産から、新用途米穀加工品の製造までの行程を、総合的に改善すること |
つまり、米粉メーカーが原料の米を安定して買い、農家が安定して売る関係を、国の認定を受けた計画として結ぶ仕組みです。米粉を使う加工品メーカーも、一定の条件で加わる形があります。
出典: e-Gov法令検索「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」第2条・第4条。確認日2026-10-05。
図表2: 計画に書く事項と、認定の基準
法律は、計画に次の事項を書くよう定めています。
- 計画を作る者の名称、住所、代表者の氏名。
- 事業の目標。
- 事業の内容と実施期間。
- 事業に使う施設の種類と規模。
- 新用途米穀の適正な流通を確保するための事項。
- 事業に必要な資金の額と、その調達方法。
- そのほか、省令で定める事項(飼料を作る場合は、その事業場の名称や所在地も書きます)。
農林水産大臣は、計画が国の基本方針に照らして適切で、事業を確実に進められると認めるときに、認定します。基本方針の内容は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針と米粉の用途表記で整理しています。
出典: e-Gov法令検索「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」第4条第2項・第3項。確認日2026-10-05。
申請先と、審査で見られる点
農林水産省の「生産製造連携事業計画の認定等事務取扱要領」(令和7年7月9日付けの改正まで反映)は、申請の出し方と審査の見方を定めています。
| 項目 | 要領の示し方 |
|---|---|
| 申請の出し先 | 計画に出てくる生産者の住所地を管轄する地方農政局長等を通じて、省令の様式による申請書を農林水産大臣に出す。北海道は北海道農政事務所長、沖縄県は内閣府沖縄総合事務局長 |
| 仲介する者がいる場合 | 生産者と製造事業者の間に仲介事業者が入る場合や、米のとう精(精米)を委託する場合は、申請書の関係者に含める。仲介事業者が入る場合は、売買契約書にも含める |
| 審査で見られる点 | 目標が実現できる内容か(生産・製造の拡大、費用の低減、競合品と競える価格)。複数年契約など、生産者と製造事業者の安定した取引関係があるか。実施期間が十分か。施設の種類と規模が目標に合うか。適正な流通が確保されるか。資金の額と調達方法が適切か。取引数量の帳簿を備えているか |
審査の見方に「複数年契約」が例として出てくるため、計画は、買い手と売り手が複数年にわたって取引する前提で作ることになります。単年の口約束だけでは、安定した取引関係の説明になりにくいと読めますが、実際の判断は農林水産省が行います。
出典: 農林水産省「生産製造連携事業計画の認定等事務取扱要領」第2の1・第2の2(https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/komeko/k_houritu/attach/pdf/index-22.pdf)。確認日2026-10-05。最後の一文は本サイトの読み取りで、要領の記載そのものではありません。
認定後にすること: 報告・提出・変更の期限
認定を受けたあとも、手続きが続きます。要領に書かれた主な期限と扱いは次のとおりです。
| 手続き | 期限・扱い |
|---|---|
| 認定の通知 | 認定されると、地方農政局長等から地域農業再生協議会(市町村などの単位で農業者を支援する組織)の代表者にも通知される |
| 地域協議会の確認 | 地域協議会が、取引数量の帳簿の備え付けと、売買契約書にある違約金の条項(計画に書いた用途以外に使ったり売ったりした場合の定め)の状況を確認する |
| 水田の地番の一覧 | 毎年の作付けに合わせて直した「生産者と水田の地番等の一覧」を、事業を行う年度の6月30日までに、農林水産大臣と地域協議会に出す |
| 事業の実績報告 | 生産者・製造事業者・促進事業者が、事業を行った翌年度の5月31日と12月20日までに農林水産大臣へ報告する |
| 計画の変更 | 変更するときは、あらためて農林水産大臣の認定が要る。ただし軽微な変更は認定が不要で、遅れずに届け出る |
| 軽微な変更の例 | 水田の面積、または生産・集出荷・製造などの数量の増減が10パーセント未満のもの |
報告の期限は2回あります。年度が終わったあとの5月31日と、その年の12月20日です。作付けの一覧は、その年の6月30日までと、報告より前に来ます。計画を作る時点で、この日程を人と作業に割り当てておく必要があります。
出典: 農林水産省「生産製造連携事業計画の認定等事務取扱要領」第2の3から6、第4の1(3)、および e-Gov法令検索「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」第5条。確認日2026-10-05。
計画どおりに進まなかったときの扱い
要領は、認定後の事業が適切に進んでいない場合の扱いも書いています。
- 認定から1年たっても事業を始めていない場合、米粉の製造が計画より大きく減っている場合などは、国が指導します。
- 指導しても着手の見込みが立たない場合や、新用途米穀を計画に書いた用途以外に使ったり売ったりしたことが認められる場合は、認定を取り消して公表します。
- 適正な流通の措置や用途外の使用に疑いが生じたときは、主要食糧法にもとづく立入検査を行うことがあります。
契約書に違約金の条項を置くことが地域協議会の確認の対象になっていたのは、この用途外使用の扱いと対応しています。
出典: 農林水産省「生産製造連携事業計画の認定等事務取扱要領」第4の1(4)・第4の2・第4の3、および e-Gov法令検索「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」第5条第3項。確認日2026-10-05。最後の一文は本サイトの読み取りです。
認定を受けると何が変わるか
法律の第9条は、生産者が認定を受けたとき、計画に書かれた米の出荷や販売の事業のうち、主要食糧法で届出が必要なものについて、届出をしたものとみなすと定めています。そのほかの特例の内容や、認定を受けた事業者の数は、本ページでは確認できていません。具体的な支援の使い方は、地方農政局に問い合わせてください。
出典: e-Gov法令検索「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」第9条第1項。確認日2026-10-05。
よくある質問
生産者だけ、または製粉事業者だけで申請できますか
法律は、生産者と製造事業者が共同で計画を作って出すと定めています。どちらか一方だけの申請は、法律の書き方には当てはまりません。
申請書はどこに出しますか
計画に出てくる生産者の住所地を管轄する地方農政局長等を通じて、農林水産大臣に出します。北海道は北海道農政事務所、沖縄県は内閣府沖縄総合事務局です。
作付けの面積を少し増やしたいときは、計画の変更が要りますか
水田の面積や数量の増減が10パーセント未満なら、要領は軽微な変更の例としています。この場合は認定を受け直さず、遅れずに届け出ます。10パーセント以上の増減は、この例には当てはまりません。
各回答の出典は本ページ内の図表・解説の出典と同じです(確認日2026-10-05)。本サイトは制度の整理のみを行い、個別の計画が認定されるかどうかの判定や、申請書類の作成はしません。