図表1: 対象になる米粉の範囲
農林水産省の対象品目編Q&Aは、「米穀粉」(米を粉にしたもの)を次のように説明しています。うるち米粉、もち米粉、その2つを混ぜたものが対象です。
| 粉のつくり方 | 資料が挙げる例 |
|---|---|
| うるち米をそのまま粉にする | 上新粉など |
| もち米をそのまま粉にする | 白玉粉、もち粉など |
| うるち米を加熱してから粉にする | みじん粉など |
| もち米を加熱してから粉にする | 道明寺粉、寒梅粉など |
| 米を微細な粉にする | 小麦粉の代わりに使う米粉など |
米を使った粉は、パンやお菓子に使う米粉だけでなく、上新粉や白玉粉も同じ扱いです。ほかの原材料が混ざった粉(米粉調製品)は、次の「85%の基準」を満たす場合に対象になります。
出典: 農林水産省「米トレーサビリティ制度Q&A~対象品目編~」問2-1。確認日2026-10-01。
図表2: 米粉調製品の対象になる条件(85%の基準)
米粉調製品とは、米粉に他の原材料を混ぜたものを指します。農林水産省のQ&Aは、次の2つの条件を両方満たすものを対象としています。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 条件1 | 米穀、小麦、大麦、はだか麦、ライ小麦の粉(ひき割りしたもの、ミール、ペレットを含む)と、でん粉(加工でん粉を含む)の重量の合計が、全体の85%を超える |
| 条件2 | 米穀の産品、小麦の産品、大麦の産品、でん粉のうち、米穀の産品が最も重い |
ここで数えられるのは、米・麦類の粉とでん粉だけです。砂糖、とうもろこしの粉、小麦グルテンは合計に入りません。「米粉が一番多い」だけでは足りず、合計が85%を超えている必要があります。
出典: 農林水産省「米トレーサビリティ制度Q&A~対象品目編~」問2-2・問2-3(告示の基準の引用部分)。確認日2026-10-01。
図表3: 配合例ごとの判定(資料に載る4例)
農林水産省のQ&Aは、次の4つの配合例について対象かどうかを示しています。表の「合計」は、条件1の対象になる原材料(米・麦類の粉とでん粉)の重量の合計です。
| 配合例(全体を100%とする) | 合計 | 米穀の産品が最大か | 資料の判定 |
|---|---|---|---|
| もち米粉83%、加工でん粉17%(無糖) | 100% | 最大 | 対象 |
| もち米粉84%、とうもろこし粉16%(無糖) | 84%(とうもろこし粉は数えない) | 最大 | 対象外(85%を超えない) |
| 米粉40%、加工でん粉30%、小麦粉16%、砂糖14% | 86% | 最大 | 対象 |
| 米粉ミックス粉: 米粉80%、小麦グルテン17%、その他3% | 80%(小麦グルテンは小麦の粉に当たらず数えない) | 最大 | 対象外(85%を超えない) |
4例のうち、米粉の割合が一番高いのは最後の米粉ミックス粉の80%ですが、小麦グルテンを数えられないため合計が85%に届かず、対象外と示されています。逆に、米粉が40%でも、加工でん粉と小麦粉を合わせて86%になる3つ目の例は対象です。
袋の原材料表示から、米粉などの割合が分かる場合は、この表と同じ計算で確認できます。ただし、実際の製品が対象かどうかの判定は本サイトでは行いません。最終的な確認は、農林水産省の窓口で行ってください。
出典: 農林水産省「米トレーサビリティ制度Q&A~対象品目編~」問2-2・問2-3。確認日2026-10-01。
図表4: 対象になった場合に事業者がすること
農林水産省の「米トレーサビリティ法の概要」によれば、対象品目を販売、輸入、加工、製造、提供する事業を行うすべての人(生産者を含む)が対象事業者です。取引の記録を残す義務と、産地情報を伝える義務の2つがあります。
| 項目 | 資料の示し方 |
|---|---|
| 記録する項目 | 品名、産地、数量、年月日、取引先名、搬出入した場所、用途を限定する場合はその用途 |
| 記録の形 | 取引で取り交わす伝票類(帳簿でも可)に上の項目が書かれていれば、それを保存することで足りる。紙でも電子でもよい |
| 保存期間 | 3年間。ただし、消費期限が付いた商品は3か月、賞味期限が3年を超える商品は5年 |
| 産地の書き方 | 国産は「国産」「国内産」など(都道府県名や一般に知られた地名でもよい)。外国産は国名。外国産を国名でなく州名だけで書くことはできず、国単位で書く |
| 事業者に渡すとき | 伝票など、または商品の容器・包装への記載で産地情報を伝える |
| 消費者に売るとき | 商品への直接記載などで産地情報を伝える。量り売りでも必要。業務用・家庭用の区別なく必要 |
| 義務の対象外になる人 | 運送や保管だけを行う事業者は、記録の作成・保存の義務の対象外 |
記録の義務は、取引の記録の作成・保存が平成22年10月1日から、産地情報の伝達が平成23年7月1日から始まっています。
出典: 農林水産省「米トレーサビリティ法の概要」本文とQ&A。確認日2026-10-01。
対象外の米粉調製品でも、産地を確認する場面
農林水産省のQ&A(問7-4)は、対象外の米粉調製品でも、それを原材料にして対象となる米菓(せんべい・あられなど)を作る事業者には、別の扱いがあるとしています。米粉調製品の産地情報の伝達は必要ありませんが、米菓の原料米の産地は伝える必要があるため、米粉調製品を売った事業者に、原料米の産地を聞いて伝えるよう要請するとされています。原料米の産地が分からない場合は、その米粉調製品の原産地を書くこともできます。
出典: 農林水産省「米トレーサビリティ制度Q&A~対象品目編~」問7-4。確認日2026-10-01。
確認の順番
本サイトは制度の整理のみを行い、個別の製品が対象かどうかの判定はしません。自社の製品や仕入れた米粉を確認するときは、次の順に当たってください。
- 粉が米だけでできているか、他の原材料が混ざっているかを、原材料表示や配合表で確認する。
- 他の原材料が混ざっている場合は、米・麦類の粉とでん粉の重量の合計が85%を超えるかを、図表3の方法で計算する。小麦グルテンや砂糖、とうもろこしの粉は数えない。
- 対象になる場合は、図表4の記録項目、保存期間、産地情報の伝え方を、農林水産省の「米トレーサビリティ法の概要」で確認する。
- 判断に迷う場合は、農林水産省の窓口に相談する。
よくある質問
米粉ミックス粉は、すべて米トレーサビリティ法の対象外ですか
いいえ。資料が示すのは配合例ごとの判定です。米・麦類の粉とでん粉の合計が全体の85%を超え、米の産品が最も重ければ対象になります。米粉80%と小麦グルテン17%の例は対象外ですが、米粉40%、加工でん粉30%、小麦粉16%、砂糖14%の例は対象です。
上新粉や白玉粉も対象ですか
はい。農林水産省のQ&Aは、上新粉、白玉粉、もち粉、道明寺粉、寒梅粉などを米穀粉の例に挙げ、対象としています。
家庭で米粉を買って使う人にも、記録の義務はありますか
資料が義務の対象としているのは、対象品目の販売、輸入、加工、製造、提供の事業を行う人です。家庭で使うだけの場合は、この資料の範囲では対象事業者に当たりません。事業として米粉を使う場合は、農林水産省の窓口で確認してください。
各回答の出典は本ページ内の図表・解説の出典と同じです(確認日2026-10-01)。
→ 米粉製品の原料原産地表示と米トレーサビリティ法との関係を見る