結論: 天ぷら粉・唐揚げ粉が挙がる区分は1番ミドルタイプ(図表2)
農林水産省の「米粉の用途別基準」の図表2では、1番ミドルタイプ(アミロース含有率15%以上20%未満)の用途の具体例に、スポンジケーキ、クッキー、天ぷら粉、お好み焼き粉、唐揚げ粉、惣菜類が並んでいます。1番ソフトタイプ(15%未満)の例は、柔らかいスポンジケーキとクッキーです。天ぷら粉や唐揚げ粉は、ソフトタイプの例には載っていません。
同じ農林水産省の解説「米粉の調理科学」は、天ぷらの衣を「菓子用・料理用用途」(1番)の最初の料理として取り上げています。ただし、この解説は天ぷらをソフトタイプ・ミドルタイプのどちらかに分けてはいません。唐揚げについての記述も、確認した範囲にはありません。
図表2で揚げ物に関わる行(1番ミドルタイプ)
| 区分 | アミロース含有率 | 図表2の用途の例 |
|---|---|---|
| 1番 ソフトタイプ | 15%未満 | 柔らかいスポンジケーキ、クッキー(揚げ物の例は載っていない) |
| 1番 ミドルタイプ | 15%以上20%未満 | スポンジケーキ、クッキー、天ぷら粉、唐揚げ粉、お好み焼き粉、惣菜類 |
| 2番 | 15%以上25%未満 | パン全般 |
| 3番 | 20%以上 | 麺全般 |
出典: 農林水産省「米粉の用途別基準」ページ内図表2(画像データを直接確認)。確認日2026-10-09。
数値の全体は用途別基準の図表1・図表2にあります。1番全体のアミロース含有率は20%未満で、そのうちの15%以上20%未満がミドルタイプです。
天ぷらの衣について、調理科学の解説に書かれていること
| 項目 | 解説の記述 |
|---|---|
| 衣の水分 | 揚げる前は60〜70%、揚げたあとは10〜20%ほどに減る。カラリと揚がった天ぷらでは、衣の水分が出て油が中に入る「水と油の交代」が十分に起こっている。 |
| 小麦粉の衣 | 加水後は時間とともにグルテン(小麦のたんぱく質が水と混ざってできる粘りのもと)が形成され、衣の粘性が高まる。水と油の交代が起こりにくくなり、カラリと揚がらない。そのため、できるだけ速やかに揚げることが推奨される。 |
| 米粉の衣 | グルテン形成がないので、時間が経っても衣の粘性はほとんど変わらない。放置しても水と油の交代がうまくいき、カラリと仕上がる。 |
| 加水の量 | 小麦粉の衣は粉の1.6倍程度の水分を加える。同じ割合だと米粉は衣の粘性が低くなるので、0.9倍程度にすると粘性が高まる。 |
| 油の吸収 | 米粉は小麦粉より油の吸収率が低い。米粉の衣は揚げたあともサクサク感が長く続く。 |
出典: 農林水産省「米粉の調理科学」(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/08/rice_flour_charac_teristic_05.html)。執筆は香西みどり氏(お茶の水女子大学名誉教授)。確認日2026-10-09。
解説の数値(0.9倍程度など)は、一般的な説明として書かれたものです。粉の銘柄や粒度、配合によって変わるため、手元の粉で作るときは、袋にある作り方を優先してください。
揚げ物でも、区分の目安が当てはまらないもの
同じ解説には、ケーキドーナツ(ベーキングパウダーで膨らませ、油で揚げる菓子)の記述もあります。小麦粉と同じ配合で米粉の揚げドーナツを作ると、米粉のほうが多く吸水して生地がかたくなり、うまくできないとされています。卵や牛乳で水分を増やせば揚げドーナツはできますが、それでもかためです。生地の水分をさらに多くして型に絞り入れ、オーブンで焼く「焼きドーナツ」にすると、小麦粉の揚げドーナツと同程度のかたさ・もろさが得られると書かれています。
つまり、揚げ物であれば何でも同じ区分、という整理はできません。天ぷら粉・唐揚げ粉・お好み焼き粉は図表2が1番ミドルタイプの例に挙げたもの、ドーナツは調理科学の解説が水分の調整を説明したもの、という違いがあります。
手元の粉が1番ミドルタイプかを確かめる順番
- 袋の表示に、1番・ミドルタイプなどの区分や、天ぷら・唐揚げなどの用途が書かれているかを見ます。区分を表記するのは製造業者です。見かたは表示から用途区分を確認する手順にあります。
- 区分が書かれていなければ、「メーカー公表の区分表記なし」として扱います。アミロース含有率の数値だけが書かれている場合も、区分を当サイトが決めることはしません。数値の測り方は米粉のアミロース含有率の測り方で確認できます。
- グルテンを加えた粉でないかを、原材料名で見ます。2番にはグルテンの添加が認められており、添加した場合は表示が必要です。違いは1番・2番・3番の違い 早見表にあります。
作りたいものから区分を調べるには作りたいものから探す逆引き表、小麦粉との調理上の違いは米粉と小麦粉の調理上の違い比較表、1番のなかのソフトタイプとミドルタイプの違いは1番ソフトタイプと1番ミドルタイプの違いで確認できます。
よくある質問
天ぷら粉や唐揚げ粉は、1番のソフトタイプとミドルタイプのどちらですか
農林水産省の用途別基準の図表2では、天ぷら粉・唐揚げ粉はミドルタイプ(アミロース含有率15%以上20%未満)の用途の例に挙がっています。ソフトタイプの例には載っていません。
米粉の天ぷらの衣は、水の量を小麦粉と同じにしてよいですか
農林水産省の解説では、小麦粉の衣は粉の1.6倍程度の水分を加えるのに対し、米粉は同じ割合だと粘性が低くなるので0.9倍程度にすると粘性が高まるとされています。ただし一般的な説明で、粉によって変わります。袋の作り方を優先してください。
米粉の唐揚げの衣について、公的資料に書かれていますか
確認した農林水産省の資料では、唐揚げ粉が図表2の用途の例に載っているだけで、唐揚げの衣の作り方や特徴を説明した記述は見つかっていません。このページでは唐揚げの調理上の特徴は書いていません。
図表2に天ぷら粉と書かれていれば、手元の米粉は1番ミドルタイプですか
いいえ。図表2は区分ごとの用途の例で、特定の銘柄の区分を示すものではありません。区分を表記するのは製造業者なので、袋の表示で確かめます。