結論: 米粉の製造は「加工等事業」。年間300玄米トン以上なら令和9年4月1日までに届出
農林水産省の届出のQ&Aは、米穀を加工・製造・調製する事業を「加工等事業」とし、例に米粉を挙げています。この加工等事業と出荷又は販売の事業を合わせて「米穀等取扱事業」と呼び、規模が年間300玄米トン以上の事業者は、食糧法第9条に基づく届出が必要です。届出期間は令和8年10月1日から令和9年4月1日までです。
300玄米トン未満の小さな製粉でも、米を仕入れて売る数量が年間20精米トン(22玄米トン)以上なら、別の届出(食糧法第47条)が必要です。米粉を仕入れて菓子やパンを作るだけの事業は、原料が米穀そのものではないため、このページの例には当たりません。自分の事業が当たるかは、農林水産省の資料と地方農政局等で確認してください。
農林水産省の資料で確認できた内容
| 項目 | 資料の記載 |
|---|---|
| 加工等事業の定義 | 米穀を加工・炊飯する事業、中食・外食事業、酒造事業。例として、おにぎり、パックご飯、米粉、餅、だんご、米菓、味噌、醤油、清酒の加工・製造・調製が挙がっている |
| 原材料とする飲食料品 | 米穀粉、米穀のひき割りしたもの及びミール、餅・だんごなどの調製食料品、清酒、みりんなど。中間物として加工する場合も対象で、米穀から米穀粉を製造して米粉パンを作る事業者が例に挙がっている |
| 特定規模届出(法第9条) | 加工等事業は年間300玄米トン以上が対象。精米は「精米÷0.91=玄米」で玄米に換算して加算する。実態と離れる場合は事業者ごとの精米歩合で換算する |
| 一般届出(法第47条) | 出荷又は販売の事業が年間20精米トン(22玄米トン)以上300玄米トン未満の事業者。加工等事業が300玄米トン未満でも、この規模の出荷又は販売の事業を行っていれば届出が必要 |
| 数量に含めないもの | 生産者が自ら生産した米穀を届出事業者へ販売・販売委託した数量。自ら生産した米穀の自家消費や無償譲渡(縁故米) |
| 届出期間と方法 | 令和8年10月1日から令和9年4月1日まで。原則として電子申請で、GビズIDを作成し、eMAFF申請2.0で届け出る |
| 届出事項 | 出荷・販売・買入の数量、生産または仕入先の割合、販売先または使用の割合、とう精施設・定温倉庫などの施設の内容 など |
出典: 農林水産省「米穀の出荷又は販売の事業の届出等について」(https://www.maff.go.jp/j/seisan/syukka_hanbai_todokede/ )、同「米穀等取扱事業の届出について」(https://www.maff.go.jp/j/nousan/kokumotu/kome_todokede.html )、同「米穀等取扱事業の届出の概要」(https://www.maff.go.jp/j/nousan/kokumotu/attach/pdf/kome_todokede-9.pdf )、同「Q&A」(https://www.maff.go.jp/j/nousan/kokumotu/attach/pdf/kome_todokede-8.pdf )。確認日2026-10-31。
読み違えやすい点
- 20精米トンと300玄米トンは別の物差し: 20精米トンは出荷又は販売の事業の規模、300玄米トンは加工等事業の規模です。米粉を製造する事業は、後者の300玄米トンで数えます。
- 数量は米粉の重さではなく、原料の米の量: 資料は精米を玄米に換算して加算するとしています。米粉の出荷量ではなく、使った米穀の量で数える趣旨と読めますが、数え方の細部は農林水産省の資料と地方農政局等で確認してください。
- 条文の番号: 食糧法の改正で新設された第9条の届出は、e-Govの現行の条文ではまだ確認できていません。このページは農林水産省の公表資料だけを根拠にしています。
- 衛生の手続きとは別: 食品衛生法の営業許可・届出は別の制度です。米粉を作って売るときの営業許可・営業届出・食品衛生責任者で確認します。
- 用途区分とは別: この届出は米の流通実態を把握する制度で、米粉の用途区分(1番・2番・3番)とは関係ありません。区分は農林水産省の用途別基準で確認します。
次にすること
(1) 1年間に使う米穀の量を、玄米換算で数える。(2) 300玄米トン以上なら、令和9年4月1日までにGビズIDを作り、eMAFF申請2.0で届け出る。(3) 数え方や例外に迷うときは、農林水産省の「提出先及び問合せ先一覧」にある地方農政局等へ問い合わせる。製粉施設を整える場合の補助は米粉製品製造能力強化等支援対策事業の対象者・対象経費・補助率、原料米の生産者との共同計画は生産製造連携事業計画の認定で確認できます。
よくある質問
米粉を製造する事業は、米穀等取扱事業の届出の対象ですか
農林水産省のQ&Aは、米穀を原材料とする米穀粉などの加工・製造・調製の事業を加工等事業とし、例に米粉を挙げています。ただし届出が必要なのは、原則として年間300玄米トン以上の事業者です。
米粉パンだけを作る事業者も対象になりますか
農林水産省のQ&Aは、米穀から米穀粉を中間物として製造し、米粉パンを作る事業者も対象になると説明しています。米粉を買ってパンを作る場合は、この例には当たりません。数量の数え方は農林水産省の資料で確認してください。
届出はいつまでに、どこから出しますか
届出期間は令和8年10月1日から令和9年4月1日までです。原則として、GビズIDを作り、eMAFF申請2.0で電子申請します。
年間20精米トンの届出と何が違いますか
出荷又は販売の事業は年間20精米トン(22玄米トン)以上が一般届出(食糧法第47条)、加工等事業は年間300玄米トン以上が特定規模届出(法第9条)です。加工等事業が300玄米トン未満でも、出荷又は販売の事業が20精米トン以上なら一般届出が必要です。