結論: 区分は粉の性質の基準で、卵・乳の有無とは別。抜いたときの粉の選び方は資料に書かれていない

農林水産省の用途別基準(1番・2番・3番)は、粒度・でんぷん損傷度・アミロース含有率・水分含有率・グルテン添加率といった米粉そのものの性質を決める基準です。卵や乳を使うかどうかは、この基準の項目に入っていません。一方、消費者庁の特定原材料の表示は、食品に何が入っているかを知らせる制度です。2つは目的が違うため、「卵・乳を抜くなら何番の粉」という対応を示した公表資料は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。

そのため、本ページは配合や粉の推奨を書かず、確かめられる事実だけを並べます。

図表1: 消費者庁の特定原材料(表示が義務の9品目)

消費者庁は、容器包装された加工食品について、特定原材料を含む旨の表示を義務付けています。令和8年4月時点の特定原材料は次の9品目です。2026年4月1日にカシューナッツが追加されました。

特定原材料(令和8年4月時点)
項目 内容
特定原材料の名称 えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生
表示の義務 あり(容器包装された加工食品)
代替表記 「卵」は「玉子」「たまご」の表示で代えられる

米粉菓子で卵・乳が関わるのは、卵や乳そのものだけではありません。消費者庁の米粉製品の資料にある米粉食パンの表示例では、原材料名に「バター(乳成分を含む)」「脱脂粉乳(乳成分を含む)」と「グルテン(小麦を含む)」が並んでいます。卵・乳を使わない菓子のつもりでも、バターや脱脂粉乳のような原材料に乳成分が含まれることがあります。

出典: 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」ページ本文、「アレルギー表示とは」(令和8年4月時点の資料)、「米粉製品による小麦アレルギーに気を付けましょう!!」(平成27年6月19日作成)本文。確認日2026-10-12。

図表2: 農林水産省の解説で、卵・乳が出てくる箇所

農林水産省「米粉の調理科学」(香西みどり氏の解説)で、卵・牛乳に触れている箇所は次の3つです。卵・乳を抜いたときの仕上がりを述べた箇所はありません。

米粉の調理科学で卵・牛乳に触れている箇所
菓子・料理 解説の記述
ドーナツ 小麦粉と同じ配合では、米粉のほうが多く吸水して生地がかたくなる。卵や牛乳などで水分を増やすと揚げドーナツは作れるが、それでもかため。水分をさらに多くして型に絞り入れて焼く焼きドーナツにすると、小麦粉の揚げドーナツと同程度のかたさやもろさが得られる
クッキー(ビスケット) 小麦粉と同じ配合の米粉クッキーは粉っぽくぱさぱさした生地になり、焼き上がりはやわらかい。牛乳を加えてもかたさはほとんど変わらないが、牛乳と砂糖を加えるとかたくなり、薄力粉クッキーに近くなる
ニョッキ(卵はつなぎ) 卵なしでも作れる。卵を追加すると弾力が出て、独特のモチモチ感が得られる

スポンジケーキの項では、小麦粉のスポンジを卵白を泡立てて作る手順として説明したうえで、米粉の生地は時間が経っても粘りがほとんど変わらず、粉を混ぜるときに気泡がつぶれにくいと述べています。ここでも、卵を使わない場合の記述はありません。

出典: 農林水産省「米粉の調理科学」(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/08/rice_flour_charac_teristic_05.html)本文。確認日2026-10-12。

卵・乳を使わないときに、粉の区分選びで確かめる点

2つの資料から、確かめられる点は次の3つに整理できます。

  1. 粉の袋の用途表記を確かめる。農林水産省の区分は粉の性質の基準なので、卵・乳の有無では変わりません。菓子・料理用は1番です。1番の中の細かい区別は、1番ソフト・ミドルで、数値の基準と読み方を確認できます。
  2. 粉と一緒に使う原材料の表示を確かめる。ミックス粉や市販の材料には、卵・乳・小麦を含む原材料が入っていることがあります。消費者庁は、原材料名・添加物の欄と注意表示を確かめるよう呼びかけています(小麦については米粉製品の小麦アレルギー表示)。
  3. 卵・乳が水分や仕上がりに関わる点は、解説の記載の範囲で読む。水分量や焼き時間の違いは、米粉と小麦粉の調理上の違い比較表にまとめています。卵・乳を抜いた場合の数値は、資料にないため載せません。

卵・乳のアレルギーがある方に出す場合は、粉の区分では安全性を判断できません。製造者の表示と、製造工程での混入の注意表示を確かめてください。

よくある質問

卵・乳を使わない菓子には、何番の米粉が向きますか

今回確認した農林水産省・消費者庁の資料に、卵・乳の有無と用途区分を結び付けた記述は見つかりませんでした。用途別基準は粉の性質(粒度・でんぷん損傷度・アミロース含有率・水分含有率・グルテン添加率)の基準で、菓子・料理用は1番です。

米粉を使えば、卵・乳のアレルギーにも対応できますか

米粉を使っていることだけでは判断できません。消費者庁の資料には、小麦粉と卵のアレルギーがある子が、小麦粉の記載がない米粉クッキーを食べてアナフィラキシーを起こした事例が載っています。原材料名・添加物・注意表示を確かめる必要があります。

特定原材料は何品目ですか

消費者庁の資料では、令和8年4月時点でえび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生の9品目です。2026年4月1日にカシューナッツが追加されています。

各回答の出典は図表1・図表2の出典と同じです(確認日2026-10-12)。

→ 米粉製品の小麦アレルギー表示の確認点を見る

→ 米粉と小麦粉の調理上の違いを比較表で見る

→ 1番ソフト・ミドルのアミロース含有率の境を見る

→ 農水省の用途別基準(1番・2番・3番)の数値を見る

→ 離乳食と米粉の公的ガイドの記載を見る

次に読むページ