米粉パンの配合表の読み方(ベーカーズパーセントと加水率)

配合表の「%」が何を基準にした割合かと、水の行の読み方を、公表資料の配合例で整理します。

結論: 配合表の数字は「粉の総重量を100%」にした割合で、加水率は水の行を見る

ベーカーズパーセントは、粉の総重量を100%として、ほかの材料を粉に対する割合で表す書き方です。愛知県の資料はこの定義を、粉の総重量(ここでは米粉とグルテンの合計)を100%として、ほかの材料を粉の総重量に対する割合で表したもの、と説明しています。加水率は、配合表の「水」の行の数字です。

米粉パンの配合表を読むときは、次の順に確かめます。

  1. 分母に何が入っているか: 米粉だけか、米粉とグルテンの合計か。
  2. 水の行: 水が1回で入るのか、中種や湯だねのように分かれているのか。
  3. どの米粉の配合か: 同じ数字でも、粉の粒度や吸水の違いで生地の固さは変わります。比容積と粉の特性を参照してください。

愛知県の資料の配合表(粉の総重量を100%とした割合)

米粉パンの生地配合(ベーカーズパーセント、単位は%)
材料直捏法中種法湯種法
米粉(微粒粉)8040(中種用に別に40)71(湯だね用に別に11)
グルテン2010(中種用に別に10)18
上白糖4.74.710.7
油脂6.76.78.9
脱脂粉乳2.72.7なし
卵なしなし7.1
食塩1.71.70.9
ドライイースト2中種用に21.8
水84.947.6(中種用の温水が別に37.3)59.5(湯だね用の熱湯が別に8.9)

出典: 愛知県「製法別の違いによる米粉パンの比較」(https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/480818.pdf、平成22年6月28日掲載)の第1表。確認日2026-10-14。表は原文の列の並びから読み取っており、中種法と湯種法の「別に」の行は、中種用・湯だね用の欄の数字を並べたものです。

加水率の計算: 水の重さ÷粉の総重量×100

式は「加水率(%)=水の重さ(g)÷ 粉の総重量(g)× 100」です。次は式の練習用に作った仮の数で、銘柄や実際の配合の値ではありません。

愛知県の直捏法の水84.9は、この考え方で書かれた数字です(米粉とグルテンの合計が100)。中種法は、本捏ねの水47.6と中種用の温水37.3を足すと84.9になり、直捏法と同じです。湯種法は、水59.5と湯だね用の熱湯8.9を足して68.4です。湯だねの米粉11を含めた粉の総重量は、米粉71+11、グルテン18で100になります。

米粉だけで作る配合では、分母にグルテンが入りません。グルテン20%を含む配合の加水率と、米粉100%の配合の加水率は、同じ数字でも意味が違います。

加水量を変えると生地はどう変わるか

農研機構の資料は、小麦粉70%と米粉30%(乾式気流製粉)の粉で、加水量を60〜88%の範囲で変えて製パン試験を行っています。加水量を増やすほどミキサーの電流値が下がり、生地がやわらかくなったと書かれています。

この試験は小麦粉を含む粉の例で、米粉100%や愛知県の配合の加水量とは条件が違います。数字の優劣は並べて決められません。固さは粉の吸水の違いでも変わるので、自分の粉では少しずつ水を替えて比べます。

出典: 農研機構「米粉パンに適した生地 米粉パン生地の客観的評価」(https://www.naro.go.jp/laboratory/nfri/seikatenji/files/2010_P20.pdf)。確認日2026-10-14。

製法で水の入れ方と結果が違う

愛知県の資料の結果では、焼成1日後の比容積は直捏法2.79、中種法2.83、湯種法1.70(cm3/g)でした。水分含量は、焼成当日が直捏法39%・中種法41%・湯種法44%で、1日後は39%・40%・37%でした。資料は、直捏法と中種法が米粉パンに適した製法だとまとめています。評価者は4名で、資料自身も精査が必要と書いています。

この試験は、米粉(微粒粉)にグルテンを加えた食パンの配合です。グルテンなしの米粉パンや他の粉には当てはまりません。比容積の意味は米粉パンの比容積のページにあります。

次にすること

米粉と小麦粉の加水量の一般的な違いは米粉と小麦粉の調理上の違い比較表、家庭で作る前の確認はホームベーカリーで米粉パンを作る前の確認、自治体認証での米粉の割合は米粉パンの自治体認証基準で整理しています。袋の用途区分は表示から用途区分を確認する手順で確かめてください。

よくある質問

ベーカーズパーセントの分母に、米粉だけでなくグルテンも入れるのですか

愛知県の資料では、粉の総重量を「米粉+グルテン」として100%にしています。この資料の直捏法は米粉80、グルテン20で合計100です。グルテンを入れない配合では、分母は米粉だけになります。自分の配合表を読むときは、まず分母に何が入っているかを確かめてください。

米粉パンの加水率は、どのくらいが正解ですか

出典に、正解の加水率は書かれていません。愛知県の例は水84.9%(粉の総重量に対する割合)、農研機構の試験は小麦粉70%・米粉30%の粉で60〜88%の範囲で加水量を変えた例です。粉の種類と配合が違うので、数字は並べて優劣を決められません。

水を2回に分ける配合(中種法・湯種法)は、加水率をどう数えますか

愛知県の資料の中種法は、中種用の温水37.3と、本捏ねの水47.6があり、足すと84.9で直捏法と同じ数字になります。湯種法は、水59.5と湯だね用の熱湯8.9があります。分けて入れる水も、粉の総重量に対する割合として合計して読みます。